【告知】育て上げネットYoutubeチャンネルで精神科医・斎藤環先生のお話をうかがいます

ここ3年ほど、東京都立川市を本拠として若者の自立支援を行っているNPO育て上げネットの業務をお手伝いしています。同団体はコロナウィルス予防の観点から社会が自粛モードに入る前からオンラインでの支援や情報発信の重要性に注目しており、動画配信なども他団体に先駆けて導入してきました。

そんな動画配信シリーズのひとつ、保護者支援チーム「結」が、来月10日に精神科医の斎藤環先生をお呼びしてYoutube配信を行います。

当日は、ひきこもり状態にある当事者とその家族への支援の在り方について、精神科医の立場からお話をうかがっていきたいと思っています。

斎藤先生は実際にお会いする前から、表紙が衝撃的な「戦闘的美少女の精神分析(ちくま文庫、2006年。よく考えたらタイトルも衝撃的だったw)」以来、その著作等を通じて、折に触れて学ばせていただいています。

膨大な臨床的な知見、オープンダイアログなどの先進的な手法に対する理解などは、もちろん若者支援の領域で大変参考になるのですが、その示唆の活用可能な領域が若者支援の領域の外部にも広がっているというのがすごい。

個人的にはオープンダイアログは集合的なメンタリングの可能性につながる考え方として、めっちゃ参考にしてます・・・。

さて、本チャネルは、子どもとの関係に悩んでいる保護者の方がターゲットですが、身近に孤立している子ども・若者や世帯がいるな・・・と思われた方や支援者の方にも見ていただければいいなと個人的には思っています。

孤立した子ども・若者と社会との間の懸隔を埋められるのはその家族だけではありません。何かしらの関わりのある人であればやれることはきっとあります。

ただしそのやり方に工夫がいるのも事実です。

そのヒントがたくさんちりばめられた会になるのではないかと期待しています。

※田中は画面には出てこないですが、たぶん一緒に視聴してると思います

勝央町にて。

今日は岡山県北部の人口11,000人の町、勝央町での今年度最後の会議でした。

勝央町は子ども・若者支援の取組にかなり初期から取り組んでいる地域です。
多くの地域が、支援の仕組みを立ち上げたものの、その後失速していく中で、勝央町は、様々な試行錯誤を重ねながらも、その経験をベースに地域独自の取組を創り上げてきた、非常にレアな地域でもあります。

その背景には、悩みを抱えてやってきた若者を応援するために、やれることはやる、今やれないことであってもやれるようにする、という粘り強く適応的なスタイルがあります。

多くの地域が
「予算がないから」
「人がいないから」
「やったことないから」
という色々な理由でやってこなかった取組を、工夫して、毎年少しずつ増やしていった勝央町。

今日の振り返りでは、それらの取組がうまくかみ合って、応援していた人たちが、彼らのペースで歩んでいくお話をたくさん聞くことができました。
(ここだけの話、お話をうかがいながら目頭が熱くなることが何度かありました)

目の前にいるその人にフォーカスし、彼らが本当に求めているものを提供する。その試行錯誤の過程で得られた学びを次の活動に反映していく。

領域は違えど、そこには社会に新しい価値をもたらすために必要な活動があります。
その活動は、世界を変えないかもしれないけれど、ひとりの若者にとっての世界が変わるための活動にも素晴らしい価値があるのだと個人的には思います。

そういう活動が岡山県の勝央町という場所で起きているのがとても興味深く、また、そういう活動に長く関わらせてもらっていることが非常にありがたくもあります。