子ども・若者支援におけるICT導入への期待と課題

名古屋市で、LINEを使って、子ども・若者が支援者とつながることができる仕組みがモデル事業の形で始まったようです。

子ども・若者支援の領域にICTが本格的に導入される兆しが出てきてますね。

先日は日本マイクロソフトが、子ども・若者支援の一環として、プログラミング教育環境を構築すると記者発表しています。

こういったコンピューター技術を導入することで、子ども・若者支援ができることは大きく広がる可能性があります。

たとえば、LINEなどのコミュニケーションツールを使ったやり取りは、特に困難を抱える子ども・若者を発見する段階で大きな効果が期待できます。

また、プログラミング教育は、就労支援の段階で、社会ニーズにかなうスキルを学ぶことができ、就労を希望する若者と働き手を求める社会とのミスマッチ解消に効果があると期待できます。

ただ、一方で、こういったLINE相談やプログラミング教育を使う支援者の側にこれらの技術を使いこなす素養があるのか、というところがこれからの課題になってくると思います。

冒頭の記事の中で名古屋市の総合相談センターの方がおっしゃっているように、対面でのコミュニケーションとLINEでのコミュニケーションは、かなり大きく異なっています。

LINE相談への期待と課題については以前実際に体験してみて思うところを書いていますので、ご参考にどうぞ↓

プログラミング教育も、多くの人はかじったこともないスキル領域なので、サービス利用者に先行して支援者が学ぶ必要があります。

このように、ICTが子ども・若者支援の領域に寄与する期待値はかなり大きいものの、実際の支援に実装していく段階になると、まだまだ準備が整っているとは言い難い。

とはいえ、現場の支援スタッフの方々も現業で繁忙を極めており、時間を割いてスキルアップに投資できるかどうかという実情もあったりします。

個人的には、せっかくよいツールが社会の側から提供され始めているので使わない手はないと思っています。

例えば、東京のNPO法人であるPIECESの「Creative Garage」のような、民間企業との連携によるプログラミング教育機会の提供のように、人材そのものも支援団体の外との連携によって確保する、というのも一つの手なのではないでしょうか。

最近は、子ども・若者支援の領域に限らず、社会的な要請と人の成長スピードのミスマッチが大きくなってきているような気がします。

そのようなときに、支援に必要なリソースをすべて組織内でやりくりしようとすると、必要なタイミングに間に合わない局面も出てくるでしょう。

そのような場合、外部との協働により柔軟迅速に対応していけるかどうかが、子ども・若者支援に携わる組織が効果的な支援を継続していけるかの分水嶺になってくるのではないかと思います。

個人的には、「子若支援2.0」とでも言える新しい波が来そうで、少し楽しみだったりします。

Challenged(挑戦する機会に直面する人)というフレームを持つことの重要さ

困難を抱える人の支援の現場に身を置く一方で、若い人の起業を支援する立場で働いていると、両者の本質的な違いがそんなに大きくないのではないか、と思うことがあります。

むしろ、彼らをこのような状況に分けたのは、彼らをとりまく社会の側にあるような気がするんですよね。

障害者支援もそう。

障害を持った方々が、障害者として捉えられるのは、社会が彼らの抱える障害が他の人と同じような生活を送る上で致命的なデザインになっているからなのではないかと思います。

だから、社会が変容すれば障害者が障害者ではなくなる可能性もあるわけです。

障害を持つ人たちにITスキルを習得してもらい、手に職をつけるための支援をしているこの組織の取り組みなどはまさにそれかと。

Challenged (挑戦する機会に直面する人)という呼称の前では障害者と呼ばれる人もそうでない人も関係なく、みな挑戦する人。

そういう認識で社会に生きる多様な人を捉える新しいフレームがもっと普及しても良いのではないかと思います

イノベーションのルーティン

『イノベーションの成否を分けるのは、単調な骨折り仕事をマスターできるかどうかだ。
創造のプロセスは通常は輝くようなアイデアから始まる。
このすばらしいアイデアに見込みがあれば、次にはビジネスの見地から見て進める価値があるかどうかを決定する。
このあたりは心躍る部分だ。知的には恐らく最も刺激的であろうが、同時に比較的容易な部分でもある。

続いて、そのアイデアを実行段階に引きおろすという現実的な仕事が来る。
これがイノベーションの中で最も単調な部分であり、人々に対するプレッシャーや鼓舞のほとんどはここで必要になる。

Diamond ハーバードビジネス 1990.7.』

そう。そうなんですよね。
イノベーションは飛躍、破壊的な新しい価値がすごいスピードで広がっていく、というイメージが持たれているんですが、実は中盤からルーティン作業が山のように現れてきて、そこに埋没しなければならない時が必ず来る。

イノベーションのイメージとは真逆の活動なんですけど、成功しているイノベーションチームは何のことはない、このフェイズですらすごいスピードでやり進め、はたから見たら飛躍的なスピードで成長してるように見えているだけなんですよね。

稲盛和夫氏と梅原猛氏の考える事業の一丁目一番地

ティール組織やオットー・シャーマーの『U理論』、ミハイ・チクセントミハイの『フロー』、A.H.マズローの『人間性の心理学』なんかには共通点があるなあ、という呟きをFacebook上に投げたら、ティール組織のイベントを企画されたICJの吉沢さんや、GOBの櫻井亮さんからいろいろと示唆や参考になる本を紹介いただいたので、ちょっとずつ読んでます

櫻井さんから紹介いただいた梅原猛先生の本の中から、まずはとっつきやすそうな『近代文明はなぜ限界なのか』を読了。

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DODA主催のティール組織に関するワークショップに参加してきました

昨日、パーソルキャリア株式会社が運営する就職マッチングサイトの「DODA」主催のイベントに参加してきました。

第39回 “未来を変える”プロジェクト

今回のテーマは「ティール組織」

2018年1月に出版されてから、新しい組織運営の可能性を指摘した書籍としてザワザワ話に出てきている「ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現」をベースにしたキーノートスピーチ+ワールドカフェという構成でどっぷり3時間(しかも19時30分~22時30分という、家事やって後続家事を相方に頼んで抜け出せるワーキングペアレントにも優しい時間設定★)参加してきました。

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田中の複業先のGOBってどんな会社?

田中がお手伝いしているGOB Incubation Partnersのファウンダーは3人いるのですが、その一人の山口高弘さんがGOBという会社の目指すところを語っています。

山口さんもよく語りましたが
それをこのボリュームの記事にしてくれた書き手にも脱帽です(笑)

誰が読むねん(なぜか関西弁)
でも読んでいただけたらGOBという会社の独自性を理解できると思います

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刑務所で起業家養成 アメリカの再犯率を劇的に下げたアメリカの取組み

「ここを出たら、履歴書を送ってくれ」

受刑者にこういうことを言える社長がいる社会、悪くない、と僕は思うわけです

アメリカの刑務所で「起業家養成プログラム」開講、再犯率が3%に “刑務所で起業家養成 アメリカの再犯率を劇的に下げたアメリカの取組み” の続きを読む