コロナウィルスに関する情報について思う事

横浜港に停泊しているクルーズ船の状況について感染症の有識者の方がYouTube上で話した内容がバズりました。

船内かなりカオスであろうこと、必ずしも科学的論理的な対応がとられていないことは大いにありうるだろうと思います。

現政権の対応不備も間違いなくあるでしょう。
ただ、一元的に現政権の機能不全のせいにしてしまうコメントが多いのもいかがなものかとも、この古巣のコラムを読んでると思うんですよね。

そもそも、クルーズ船のような治外法権にも似た領域をビジネス先行で運用してしまった結果、今回のような有事の際の対応が後手に回ったというのが問題だったのではないかと個人的に思うわけです。

https://www.nri.com/…/knowled…/blog/lst/2020/fis/kiuchi/0217

とはいえ、事態は発生してしまっているので、多国間調整しつつ、現場レベルでベストエフォートの対応を模索&実行していくしかない。
ちなみに、さらっと書いたけど、多国間調整と現場対応の並行処理は担当者の部署やレイヤーが違うのでこれまためっちゃ大変だと推察される。

いずれにせよ、すべての現場で水際対応いただいてるすべての方に感謝&ご自愛くださいと申し上げたい。

子ども・若者育成支援法施行までのリアルを法案作った人に聞いてきたハナシ

2月13日に内閣府で「青少年問題調査研究会」という集まりがありまして。

だいたい年に1回開かれるごくごく小規模な勉強会で、開催の告知も内閣府の共生社会グループが出してるメルマガに登録してないとほぼ十中八九見逃すというレアな会議なんですが、その小規模さゆえに選ばれるテーマはなかなかいぶし銀、渋い。

今回のテーマは「子ども・若者育成支援推進法の回顧」ということで、現在は静岡県掛川市の副市長で、当時内閣府参事官補佐だった久保田崇さんが講演するという立て付け。

渋い、渋すぎる。日々、国内各地の自治体の子若協議会設置のやり取りをしているような自分くらいしか聞きにいかないんじゃないかと心配になって、子どものアレルギー負荷検査の終盤を実母にバトンタッチしていってみたら、30人くらいいた。人知れず仲間意識を持ちました。

さて、話は久保田さんが内閣府参事官補佐だった時に遡って始まりました(というか、ちょっと遅刻していった私が聞き始めたのがそこから。うそつきましたすいません)
その時というのは、自民党から民主党に政権が移る直前だった麻生内閣時代。

で、その麻生内閣の麻生総理が、所信表明演説の中でこういたそうです。

「困っている若者の自立を促し、手を差し伸べます。そのための、若者を支援する新法も検討します

それを聞いた久保田参事官補佐は心の底で直感したそうです

「あ、やべーな(ニュアンスは田中訳)」

これは法案作成を担当する官僚の方が感じる独自のものだそうですが、今回もその直感は見事に当たり、所信表明演説が行われたのが2008年9月で、法案が国会に提出されたのが2009年3月という法案提出まで半年というごく短期での作成となり、久保田さん含む内閣府の策定チームは、この半年間ほぼ寝ないで法案を練られたそうです。

それにしても、議員は法律をつくる、このことはいつか学校で習った覚えはあるんですよ。

でも、こういう話を官僚の方から聞くと、やっぱ国会議員すげえな!って思うんですよね。

なぜって、まあ事前に色々調整や検討はしたにせよ、言ったことが一国のルールになるんですから。
まじやばくね。そういう人選ぶ選挙って、やっぱ大事じゃね?チョリーッスって、自分思うわけっす。

ちなみに法案提出時の法律名は

「青少年総合対策推進法」

うーん、ええっと
ネーミングの第一印象はパッとしませんね。
ごめんなさい久保田さん。
でもなんか、わかったような感じはするけどその実何かよくわかんないです。
とりあえず試験には出そうな感じはする。

と、一般人からするとそういう感想を持つのですが、当時は「若者」というワードを冠した法案が存在しなかったので、法制局との調整が非常に困難であり、「青少年」という表現に落ち着いたという背景があったそうです。

これまで使ったことがないから使わない、という理由自体が、わかるようなわからないような感じもしますが、ちゃんと考えがあったということはわかった。

おそらく同様な背景で、「総合対策」というわかるようなわからないような言葉がVer.1で出力されたんだと思います。

(↑ここんとこ、ちょっと茶化す調で書いてますが、実際にはそれぞれの組織の経験に培われた不文律みたいなのがあり、それらのルールを紐解けばそれなりの理由があると思うので、「なるほどなー、そういう理由で判断するからにはきっと法制局なりの論理があるんだろうな」と思っています。)

ともかくもそういった調整を経て提出された法案が、次に通るのは、与野党間の修正協議というトコロ。

へえ、与党がやるといった法案ってちゃんと野党がつっつく余地があるんだ、と、これまた新鮮な驚き。
なんかそれなりにフェアじゃん。日本の立法府。

で、その協議の結果、決まった法案名が

「子ども・若者育成支援推進法」

子ども」ってついてるやないかーい!

と、心の中で久保田さんに突っ込んだのは内緒。

とまあ、法案ができるまでの中で、自分達が普段知ることがないような紆余曲折や調整があるということが知れたのは一つの学びでありました。

更生施設と地域の融和

全国で更少年の更生を支援する取り組みが徐々に広まって生きているような気がします。

政府として更生施設を出所者の再犯防止に乗り出したことで、徐々に地方でも取り組みが具体化してきているようです。

奈良市でもフェアという形で更生施設と地域の関係性を問い直す取り組みが始まっているそうで。

罪を犯した人も立ち直りの機会を 更生支援の輪/奈良新聞

https://news.allabout.co.jp/articles/p/000000109.000036429/

コンテンツ自体は講演や施設で栽培された野菜の直売会など、比較的ライトなものが多い印象ですが、これまでなかなか接点がなかった更生施設が地域と交流を深めていくためには、ちょうど良いのかもしれません。

ただ、こういった取組の課題は集客です。もともと関心の高い人しか来ないイベントであれば、その後の変化への期待値はあまり高まりませんので、どのように構成施設になじみのない人を巻き込んでいくのか、という視点で仕掛けがあったのかどうかが気になるところです。