子どもの権利条例と豊島区

豊島区が複数の子ども・若者に関わる計画を統合した「(仮称)子ども・若者総合計画」の策定支援をCo-Work-Aとして受託している関係で、 本日は豊島区の豊島区の子どもの権利委員会に出席しています。

豊島区は、2006年に子どもの権利に関する条例を独自に制定しているんですね。
子どもの権利に関わる条例は、子どもの権利条約総合研究所によれば、全国の自治体で制定しているのは44自治体(2016年時点)。
そして、豊島区の条例制定は、全国の自治体の中で9番目(東京都内では目黒区に次いで2番目)ということで、かなり早期に子どもの権利に関わる条例を制定されたことになります。

子どもの権利が危ぶまれているというメディア報道などもしばしば目にする昨今ですが、自治体として子ども・若者の権利を守っていくという取り組みを本腰入れて展開していくという流れの中で、子どもの権利に関わる条例の制定を進めていく、というのも一つの方法なのではないかと思う次第です。

もっとも、条例となると、市民の権利を制限し、義務を課すことにもつながりますし、「条例案の作成・提出→審議→公布」というプロセスを経る必要もあるということで、かなり”力のいる”アクションになります。
条例を制定したからには具体的な事業を組成し展開していくことも求められるので、自治体にとっては覚悟も必要なわけですが、実効性のある活動を行っていく上では有効な選択肢になりうるのではないでしょうか。

豊島区の権利条例は、同じ東京都内の世田谷区の「子ども条例」と比較すると、推進計画の内容をディテールの部分にまで言及する(豊島区計画第7章第30条)など、計画・実行面への配慮のある計画であることが一つの特徴だと思います。

総合計画は、ともすれば総花的で抽象度の高いものになりがちなので、アクションに結びつく部分を条例内で言及して担保しておくことが非常に重要なのではないでしょうか。