昨日の研修会の参加者から、「持ち家があると、生活保護を受けられないのではないか」という質問をいただきました。
結論から言うと、そんなことはありません。
大元締めの厚労省の資料にはこんな感じで言及があります。
基本的な考え方として、売却が原則。
被保護世帯の居住の用に供される家屋及びそれに付属する土地については、保有を容認し、保護を適用。
ただし、処分価値が所有価値に比して著しく大きいと認められる場合には、売却等による資産の活用をした上で、保護の要否を判断
一つ目の項目を見たら「やっぱり売却か・・・」と読めるわけですが、二つ目の項目をよく読んでみると、住むために必要なら保有してもよい、ということなんですね。
ただ、売却したら高額で売れて資産形成できるなら売却してもらうよ、ということのようです。ざっくり言うと。
さすがに生活保護の制度も鬼ではないということですね。
引きこもり状態が長期化した場合、少しずつ支援の方法は減っていきます。
その最後の砦として生活保護制度があるわけですが、その内容は複雑で経時的に変容する可能性もあり、担当の方でない限りすべてを把握しておくことは困難だと思います。
そのようなときに、たとえば子ども・若者支援地域協議会で、生活保護制度の理解を高めるためのレクチャーを担当者にお願いしてもらったり、ケースを扱う際に生活保護受給の可能性について意見をもらうといったことが、制度理解や連携促進のためには重要なのではないでしょうか。
時に風当たりの強い生活保護制度ですが、この制度が必要な家族は確実に存在します。チーム全体で理解度を高め、必要としている人に制度を適用していきたいですね。