Challenged(挑戦する機会に直面する人)というフレームを持つことの重要さ

困難を抱える人の支援の現場に身を置く一方で、若い人の起業を支援する立場で働いていると、両者の本質的な違いがそんなに大きくないのではないか、と思うことがあります。

むしろ、彼らをこのような状況に分けたのは、彼らをとりまく社会の側にあるような気がするんですよね。

障害者支援もそう。

障害を持った方々が、障害者として捉えられるのは、社会が彼らの抱える障害が他の人と同じような生活を送る上で致命的なデザインになっているからなのではないかと思います。

だから、社会が変容すれば障害者が障害者ではなくなる可能性もあるわけです。

障害を持つ人たちにITスキルを習得してもらい、手に職をつけるための支援をしているこの組織の取り組みなどはまさにそれかと。

Challenged (挑戦する機会に直面する人)という呼称の前では障害者と呼ばれる人もそうでない人も関係なく、みな挑戦する人。

そういう認識で社会に生きる多様な人を捉える新しいフレームがもっと普及しても良いのではないかと思います

ドコモ・バイクシェアはフリーランサーとの相性抜群だった・・・!

最近、ドコモのバイクシェアサービスの会員になりまして。

☝サイトはサービス内容の詳細が見つけられない微妙な出来なんですが、使ってみると、これが現在のフリーランス・パラレルワーク的な働き方に非常にフィットして便利です。

今月1か月間使って利用状況と料金を検証してみて、従量課金の1回会員から(150円/~30分&以降100円/30分)から月額会員(月額2000円で、30分まで何回でも無料&以降100円/30分)になろうかリアルに迷ってます。

(☟港区自転車シェアリングのページ。基本どの区でも料金体系は一緒)

ここ1か月くらい利用してみて感じたメリットはこんな感じで5つほどあります。

都内のカバレッジの広さ

都内の10の区で利用可能。だいたい山手線の内側はどこにでもいけます(あと大田区)。

新宿、渋谷、六本木、丸の内などはポートも多く、気候・気温の条件がそろえば、もう電車いらないレベルです。

電車乗るより安い(時もある)

私がよく行くオフィスが神田錦町にあるんですが、子どもを保育園に迎えに行ってから向かう場合は、東急目黒線新丸子駅から目黒で都営三田線に乗り入れて神保町に至るルートになります。ちなみに料金は411円(IC利用)。

これを、新丸子から乗る路線を東急東横線にして代官山(新丸子から上り方面の駅で、ドコモのシェアバイクサービスが一番最初に使える東急東横線の駅)で下車、そこからシェアバイクを使って神保町に向かうと、料金は345円(新丸子→代官山:195円、シェアバイク利用料金:150円)で66円安い。

ただし30分で代官山から神田錦町に到達するのはかなり負荷かけて自転車をこぐ必要がありますが。。。仮に30分超えて100円追加になっても445円で差額は34円です。

まあこの例は長距離かつタイムアタック感あるのでレアケースかもしれませんが、例えば、神田錦町から信濃町あたりに出ようとすると、地下鉄からのJR利用で料金は300円くらい超えるわけです。でも、シェアバイク使えば余裕で150円圏内なので、浮いたお金で脂肪燃焼系のお茶でも自転車のれちゃうのです。

地下鉄の初乗り料金はだいたい160円くらいなので、1駅利用でも安い。

つまり、長距離(7~8キロ)・中距離・短距離どのケースでもシェアバイクの方が電車より安いケースが結構あるんですよね。

特に経済制約が大きなフリーランスにとって、支払う頻度が高い交通費を安くできるのはありがたい。。。

電車より早い(時がある)

電車にのると2,3駅なんだけど、一回乗り換えとかが入ると結構時間かかるんですよね。特に駅に着くまでの徒歩と、乗り換え時の移動。これが非常に煩わしい。

そういう場合は、ポートの位置にもよりますが、自転車に乗っていったほうが便利だし早いことが結構あります。

ちなみに、自分の場合、神田錦町にあるコワーキングスペースから神田駅まで歩くと9分かかるけど、シェアバイク使うと利用・返却前後の徒歩の時間をいれて6分くらいでした。

健康に良い

シェアバイク、電動自転車なんで、アップダウンの多い六本木や渋谷あたりでは、ロードバイクのお兄ちゃんとかと互角に戦えます(上り坂のみ)。

で、この電動自転車、なにげにいい運動になるらしくてですね。

パナソニックの試算では3METSくらいあるらしい。

同じ負荷レベルのスポーツを日本健康・栄養研究所の『身体活動のMETs版』で調べてみると、バレーボールの練習(試合以外、6-9人で練習、全般)や打ちっぱなしのゴルフくらいのレベル。

METsを使ったエネルギー消費の計算式は

体重(kg) x METs x 時間 x 1.05

なので、体重65キロの自分が1時間乗ると、

65(kg) x 3(METs) x 1(時間) x 1.05 = 204.75(kcal)

のエネルギー消費になるわけです。タニタのウェブサイトによれば、ご飯軽めと普通の間の量で一杯分ってとこでしょうか。

一日30分週5回有酸素運動をすれば、健康リスクが低減するという研究結果もあるみたいなので、仮に天候が安定していて、月曜から金曜までシェアバイク使ってたら結構インパクトありそうです。

ちなみに神田錦町の仕事場は全席スタンディングのコワーキングスペースなので、仕事中もその前後もカロリー消費しまくりの環境になっております。

借りる場所 ≠ 返却する場所の便利さ

なにげにこれが一番メリットを実感できるポイントかもしれないです。

以前クロスバイクで通勤してたこともあるんですが、置いた場所に戻ってこなければいけないのが本当にめんどくさかった・・・!レンタサイクルでも基本一緒(しまなみ海道は例外)

それに比べて、シェアバイクはポートであればどこで借りてもいいし、どこで返してもいい。

これがこんなに便利だとは思わなかった・・・

このおかげでかなり自由に移動ルートを作れるようになりました。この便利さはちょっと使ってみないとわからないかもです。

 

と、いうように、シェアバイクの便利さを挙げてきましたが、こういうポイントって、働く時間と場所についての自由度が比較的高く、経済的なやさしさを常に求めていて、そんでもって健康にも気を使わなければならないフリーランスのような働き方の人にはうってつけのサービスだと思うわけです。

Felica系のカードを登録してしまえば決済も楽だし、利用&返却も2アクション(ボタン押下+カード押し当て)でできるのでとても円滑。

こういうサービスをみんなが使えば使うほどポートも多くなるし、僕もうれしい。どんどん使って自由な働き方の人たちにメリットが大きい社会にしていきたいものですね!

子ども・若者の個別相談会@石垣市

かなり前のことですが、石垣市の子ども・若者地域支援協議会の立ち上げのお手伝いをして以来、お邪魔する機会がなかなかないのですが、石垣市の子若支援の取り組みとして、個別相談会を実施しているようです。

相談に乗ってくれるのは沖縄県の相談センターであるSoraeの松本大進さん。以前インタビューさせていただいたことがあるのですが、とても熱心な方です。

当時者やそのご家族の方が相談できるチャネルがたくさんあるのはよいことだと思っています。当事者と支援者も人間。そこには相性もありますからね。

相談者からすると、困難に直面したときにどのような支援を受けられるのか、複雑だし広汎だしよくわからない、ということはままあることなので、こういった相談会の場に、各種支援領域の担当者がいらっしゃるとより実のある場になるのではないでしょうか。

ニートが管理職になる会社 デジタルハーツ

昨日の研修会で参加者の方からいただいた質問のひとつに「ニートでも職につけるのか?」というものがありました。

結論からいうと、全然就職できます。

元ひきこもりの自分でも就職できてますし、周りにもニート状態から学校に戻ったり、就職した人はいくらでもいます。

会社レベルでも最近は発達障害を持っている人や、元ニート・ひきこもり状態にあった人を積極的に雇用しているところは結構出てきました。

中でも有名な会社を上げるとすれば、ゲームのデバッグ、特にバグ(不具合)の発見を行っているデジタルハーツ社がありますね。

詳細は、ひきこもりやニートの方についての篤い記事を精力的に描き続けておられる池上正樹さんの記事をご参照いただければ、よりご理解いただけるのではないかと思います。

※2ページ目からは会員登録が必要。

同じ状態なのに、一方では自室に閉じこもらざるを得ない。

もう一方では、頼れる戦力として位置づけられ、本人もその期待に応えて活躍している

こういう会社の取り組みを拝見していると、結局のところ、ニートやひきこもり状態にある人を、そもそもその状態に追いやっているのは本人ではなく、周囲の環境や、当事者を取り巻く社会の側にあるのではないかと改めて思います。

ニート・ひきこもりという”状態”を見て、社会に出ていくのが難しいだろうな、という判断をまずは留保して

当事者自身を理解し、それをベースにやれることを一緒に見つけていく、という姿勢が支援者側のマインドセットとして非常に重要になっていくのではないでしょうか。

また、やれることの引き出しは、支援者一人では限りがあるので、そういったときに考えられるチームや場があれば、より可能性が広がるのではないかと思います。

生活保護と持ち家

昨日の研修会の参加者から、「持ち家があると、生活保護を受けられないのではないか」という質問をいただきました。

結論から言うと、そんなことはありません。

大元締めの厚労省の資料にはこんな感じで言及があります。

基本的な考え方として、売却が原則。

被保護世帯の居住の用に供される家屋及びそれに付属する土地については、保有を容認し、保護を適用。

ただし、処分価値が所有価値に比して著しく大きいと認められる場合には、売却等による資産の活用をした上で、保護の要否を判断

一つ目の項目を見たら「やっぱり売却か・・・」と読めるわけですが、二つ目の項目をよく読んでみると、住むために必要なら保有してもよい、ということなんですね。

ただ、売却したら高額で売れて資産形成できるなら売却してもらうよ、ということのようです。ざっくり言うと。

さすがに生活保護の制度も鬼ではないということですね。

引きこもり状態が長期化した場合、少しずつ支援の方法は減っていきます。

その最後の砦として生活保護制度があるわけですが、その内容は複雑で経時的に変容する可能性もあり、担当の方でない限りすべてを把握しておくことは困難だと思います。

そのようなときに、たとえば子ども・若者支援地域協議会で、生活保護制度の理解を高めるためのレクチャーを担当者にお願いしてもらったり、ケースを扱う際に生活保護受給の可能性について意見をもらうといったことが、制度理解や連携促進のためには重要なのではないでしょうか。

時に風当たりの強い生活保護制度ですが、この制度が必要な家族は確実に存在します。チーム全体で理解度を高め、必要としている人に制度を適用していきたいですね。

子ども・若者支援地域協議会 集客のコツは組織理解にあり

昨日は、愛知県下の自治体担当者の方々向けの研修会にコーディネーターとして参加してきました。

先週の岡崎に引き続き、子ども・若者支援地域協議会を設置していない自治体の担当者の方向けの研修会で、尾張地域の約20の自治体が出席されてました。

しかし、愛知県の自治体って結構多いんですね。調べてみたら県下の市町村数は54(2018年4月1日時点)で、47都道府県の中で上から6番目に多いらしい。

地図とか見ても、名古屋市の周りに村とか町といった名称の自治体が結構ある。コンビナートや有力企業が立地しているので合併の必要性がないのでしょう。

なので、こういった研修会に参加する自治体も愛知県は非常に多いのですが、一般的に、協議会未設置地域の自治体向けの研修会は集客に非常にてこずります。

なんせどの地域も問題意識が無いか、自分の課が出ていくと、なし崩し的にそこが担当課ということになってしまうリスクがあるので、担当者の方として二の足を踏んでしまうことがままあるんですよね。

愛知県の場合は、県から、県下に複数ある県民センター・県民事務所の方から各自治体にプッシュしていただいたこともあり、多くの方にお集まりいただけたとのことでした。

県民センターの担当の方は元教員OBで教育委員会にもいらっしゃった方が多いとのことで、担当課にも声をかけやすかったということがあるようです。そのあたりの関係性を活用して人を呼ぶあたりに、技を感じますねー。

人が参加するのはつまるところ

自分自身あるいは所属している組織に参加するインセンティブがあるか

参加しないと後で困ったことになるか

のどちらかです。今回は後者ということになるでしょうか。

その組織の力学を理解した上でどうやって来てもらうか。

そして来てもらったからにはしっかり気づきや学びといった”Something New”を持って帰ってもらえるか。

そういったことを考えながら参加者を募ることが重要なのではないでしょうか。

東海道新幹線の駅弁で買うべきは「品川名物 貝づくし」一択。そしてその理由。

仕事の関係で、7月以降は週に2、3回どこかしらに出張がはいります。

最近は東海道新幹線で名古屋に出張ることが多いのですが、新幹線に乗るときに、いつも買ってしまう心の友、それが、駅弁。というか、駅弁の中でも「品川貝めし」一択なんですよね・・・。

駅弁なんてそれこそ数知れず種類があります。

というか、個人的には一食1000円近くする駅弁というジャンルにあんまり興味ない(!)

そんな自分なのに、この「品川貝めし」だけは、リピートしてしまう・・・それは何でなんだろう、と今日も食べながら考えているのです・・・

で、思った。理由、3つくらいあるなと。 “東海道新幹線の駅弁で買うべきは「品川名物 貝づくし」一択。そしてその理由。” の続きを読む

NPOと行政のかみ合わなさの原因は何かを考える

子ども・若者支援の領域では、行政とNPOのような民間組織が連携していくことが重要なわけですが、これが言うは易し行うは難しということが多い。

一番多いのは、NPOから見て行政サービスのカバレッジが不十分でターゲットにドンピシャのサービスが提供できない、というもの。

NPOの方は自分たちの目の前にいる当事者をサポートするために日々貢献してらっしゃる。

それなのに、行政の対応やアクションは、そもそも誰を相手にしているのかも曖昧だし、アクションもぬるいじゃないかという指摘を聞くことも多いんですよね。

どちらも、地域の当事者を支えるために考えているという点では一緒なのに、なぜこのようなコンフリクト(衝突)が生まれているのだろうか?

激しさのレベルは様々ですが、そんな両者の衝突の場面に居合わせる度、その帰りの電車の中で考えてました。

そんなときに、最近、元厚労省事務次官の村木厚子さんの『日本型組織の病を考える』という本を読んだんですね。

その中で村木さんが書かれている公務員の仕事についての表現を読んで、なんかわかったきがしたんです。その部分を要約すると、こんな感じになるかな。

「公務員の仕事というのは、提供するサービスの充実を考えなければいけない一方で、国民の負担を重くしないようなバランスを取らないといけない。そうすると、結果的に出来上がるのは全員が満足するものにはならない。でも、なるべく多くの人が受け入れてくれる現実的な制度をつくらなければならない。」

僕は、NPOと行政の仕事の違いは、ここんとこに端を発してるような気がするんですよね。

行政が子ども・若者支援の施策を考えようとするときに、ある程度施策の対象者は絞り込まれている。でも、その財源は広く市民・国民が負担する税金で賄われている。

また、特定の団体向けに設える制度であってはならず、汎用性のある制度設計であることが求められる。

そうなってくると、行政が打ち出すアクションは誰もが100点満点をつけられないサービスになることが多くなるわけです。

サービス利用者や施策のパートナーにとっては十分に満足のいく内容ではないという印象を持たれることも当然あるでしょう。でも、それは行政サービスという性質上、ある意味宿命といえる性質なのではないかなと思うんですよね。

もちろん、行政の人は、誰もが100点といわず、高得点をつけてくれるような施策の可能性を追求し続けなければいけない。

でも、NPOや生活者の側も、行政サービスがそもそもそういう性質を帯びていることを理解することが重要なのではないかと思うわけです。

ほら、子ども・若者やその家族といった当事者を支援するときには、みなさん相手の理解が重要って力説してるじゃないですか。

それと一緒で、事業のパートナーである行政に対しても、その視点を遺憾なく発揮すればよくない?と思うんですよね。

カスタマーだけでなく、事業パートナーに対しても、まずは理解ファーストでいきましょ。

そうすれば不要なコンフリクトもなく、提携できるところと難しいところが明白になるし、できなければ他の方法で資金調達と事業展開しなきゃな、って思考になるのではないかと思うのです。

ミッションは同じだけど違うプレイヤーと協業するときの基本スタンスはこうでありたいですよね。

孤独と孤立の違い~子ども・若者支援の目的~

子ども・若者やそのご家族を支援していくときに大事なことのひとつは、

「そもそも支援、何のためにするんだっけ?」

ということを明確化し、保持することだと思います。

この「なんのために」というところ、大きな目的としては、そんなに諸説でるわけではないと思うんですね。

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刈谷市で子ども・若者支援地域フォーラムが開催

愛知県刈谷市で子若支援の関係者や当事者およびその家族が集まって情報交換をしたりつながったりすることを目的としたフォーラムが開催されたみたいですね。

私も過去に、子若協議会を設置した自治体の担当者の方々と一緒に同様のフォーラムを開催してきましたが、気軽に関係者同士がつながれる場を設けることは、子若支援のネットワークを構築していく上でかなり重要なことだと思っています。

刈谷市のフォーラムでは、当事者の方の参加もOKとしている点で、サービス利用者側のニーズや感想を直接支援サイドが把握する良い機会になったのではないでしょうか。

子若協議会の定期的なイベントとして、年1回開催くらいの頻度でやってもよいのではないでしょうか。