内閣府の平l成29年度第3回青少年問題調査研究会で取組みを紹介した4つの総合相談センターのうち、今日は名古屋市の取組みを聞いて田中が感じたことをば。
名古屋市の総合相談センターには、以前私も調査でお伺いしてお話を聞いて、その取り組みの先進性に度肝を抜かれました。
まず何が面白いって、一般的に総合相談センターの運営者を民間事業者が担っている場合、単一の事業者であることがほとんどなのですが、ここは2つの組織がコンソーシアムを組んで受託しているところ。
その2つというのは、一般社団法人草の根ささえあいプロジェクトと、特定非営利活動法人起業支援ネットです。
この2つの事業者の組み合わせも絶妙で、現場の支援に強みを持つ草の根ささえあいプロジェクトと、運営・マネジメントに強みを持つ起業支援ネットという異なる強みの掛け合わせになっているんですね。
支援団体の方は、非常に高い理想と篤い気持ちをお持ちです。ただ、その一方で経営という観点から見た時に、自分たちの活動を冷静に見つめることができないこともままあるわけです。その部分を名古屋市の場合は起業支援ネットが担っている。それぞれの組織の特異な領域に特化することで、総合相談センターとしてのサービス価値を最大化することができると。
実際に田中がお話を伺った際も、2つの組織の代表理事にご対応いただいたのですが、支援面をすれば草の根ささえあいプロジェクトの渡辺代表理事、運営面の質問をすれば起業支援ネットの久野代表理事にご回答いただき、その対応の整理感に感銘を受けました。それでいてお二人の関係性がとても良い感じで、組織としてのまとまりを感じました。
名古屋市のようなコンソを組んでの総合相談センターの運営は、私の知る限りで他の事例はないですが、他地域にとって参照性は非常に高いのではないかと思います。
センター運営の委託者である自治体も、その条件としてコンソ組成を除外しない、経営面の視点を評価に盛り込む等、この流れを後押しすることで、より効果の高い、安定的なセンター運営を期待することができるのではないかと思います。