※本エントリーは、昨日のエントリーの続きです。初めから読まれたい方はコチラから。
岡山県勝央町の体験バンクの取組みのポテンシャルの高さについて、以下の3点を前エントリーで紹介しました。
- ユースアドバイザーという支援リソースの活用に成功したこと
- 地域内の事業者と連携することで、町ぐるみの支援体制を構築したこと
- 後継者の発見・育成という地域が抱える問題を解決する可能性を秘めていること
前日までのエントリーで1と2について紹介したので、今日は3について。
岡山県勝央町は、岡山県北部に位置する町で、人口は約1.1万人と規模の小さな自治体です。
若年者人口は上記のうち約1,500人、生産年齢人口は約6,500人
多くの地域と同様、高齢化は進行しており、高齢化率は1995年に22.1%、2010年には27.9%となっています。
人口が減少し、高齢者の割合が増えていくと、必然的に直面する問題が、地域内産業の維持という問題です。
この問題に対する打ち手として重要なのは、働き手の確保なのですが、地方の事業者がそれを行うのは非常に難しいのが実情です。多くの若者が都市部に向かう状況、マッチングのためのコスト負担能力に乏しいなどがその理由です。
その点で、勝央町の「体験バンク」は、地域内の生活者である若者に対して、地域内事業者とのマッチング機会を提供する仕組みと捉えることも可能です。
現在、体験バンクに登録・参加した若者の数はわずか1件ということで、まだまだ始まったばかりという数字ですが、勝央町の人口規模とそのなかで困難を抱える若者の割合、体験バンクの対象年齢等を考慮すると、むしろ早々に1件案件化できたことが素晴らしいのではないかと思います。
また、仕事体験の形でより低年齢の子どもに対する支援ツールとして活用したり、地域内の学校と連携することで支援を名乗り出た30件の事業者のさらなる活用などの展開も考えられます。
今後も勝央町の取組みは興味深くウォッチしていきたいと思います。