富める者は必要以上に褒めそやされ、社会の梯子を我さきに上ることを奨励され、どれだ
「貧困に苦しむ人は怠け者」と考える人は、1986年には国民の19%だったが、20
「無職の夫婦=貧困に苦しんでいる」と考える人は1986年には国民の半数だったが、
収入格差が大きすぎると国民の四分の三が認識している一方で、貧困者の社会保障充実が
ちなみに日本のことではなく、イギリスのことなのだが、状況が驚くほど日本の世論の状
本書のタイトル「CHAVS(チャブ)」は、「バーバリーを身に着けたティーンエイジ
本来であれば政策的に支援されるべき人達なのに、無視され、批判され、嘲られている人
サッチャーによる壮大な社会実験の結果、英国の製造業は壊滅、1979年に700万人
だいたい柔軟な労働力って聞こえはいいけど、実際人が自分の生業を変えるのってすごく
そんな実情を覆う「メリトクラシー(実力主義)」の大義名分。
才能と実力があれば誰でもが成功できるという論調。
裏を返せばここにも頭をもたげる原理主義的自己責任論。
本来であれば支援されるべき対象者は、自己責任論の大義のもとに怠け者のレッテルを貼
やる気の無さも自己責任
貧困や失業状態も自己責任
薬物乱用も若年妊娠も自己責任
本当は政策の失敗が社会問題の肥沃な土壌になっていることを誰も言わない。言えない。
なぜなら政治家もメディアもいまや中流から上流階級に独占されてしまっている。彼らに
国会議員に占める私立高校出身者は、世の中の4倍だ。
一方で労働者出身の国会議員の割合は、1987年から20年で半減してしまった。かく
苦しむ人々をかつて連帯させた労働組合は弱体化、解体されており、彼らが状況を打開す
ここまで書いていて、やっぱり海の向こうの国の出来事とは思えない。格差社会が叫ばれ
能力と才能があり、結果的に成功できた人は賞賛されるけれど、それ以外の人のチャレン
僕らができることは何なんだろう。
処方箋の言及に具体性はないけれど、僕らの生活を取り巻く居心地悪さの原因を構造的に