偶発性の心づもり(稲盛氏のワックス)

ニュートンは木からリンゴが落ちるのを見て万有引力の法則を思いついた、という話は有名ですが、京セラ創業者の稲盛和夫氏が研究室のワックスにつまずいてファインセラミックスの製法を思いついた、という話はそれほど知られていない

ファインセラミックスは、すごく平たくいえば、陶磁器の兄弟です。陶磁器は土でつくりますが、ファインセラミックスはもっと高価な材料でつくる、という違いがあります。

まあファインセラミックスについての話は置いておいて、稲盛和夫氏がファインセラミックスの製法を思いついたきっかけは床に置いておいたワックスなわけですが、じゃあ誰でもワックスにつまずけばファインセラミックスの製法にたどり着けるかといえばそういうわけではない。

当時の稲盛氏がファインセラミックスの成型方法について日夜考え続けていたからこそ発想できたわけで、仮に稲盛氏当人だったとしても、考え続けていなければたんに「いってえなあ」で終わる話だったのではないかと思うのです。

イノベーションには偶発性が重要ですが、偶発性を生み出すためには、その人がその偶然の出来事を他の偶然と区別して「おっ!」を思えるだけの状態であることが前提になっている必要があります。

そういう意味で新しいことをやろうと思ったら、常に自分のアイデアについて考え続ける一方で外部に対して開かれていなければ、リンゴやワックスに出会うことはできない、ということなのだと思います。

ワックスの話や、新規事業の始め方について、稲盛氏は哲学者の梅原氏との対談本の中でいろいろと紹介されています。

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本の内容は、タイトル通り、このままのやり方では人間社会って詰んでるんじゃないの?それどころか地球自体もやばくない?という話なんですが、個人的には後半に議論されているイノベーションの起こし方が興味深かったですね。

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