稲盛和夫氏と梅原猛氏の考える事業の一丁目一番地

ティール組織やオットー・シャーマーの『U理論』、ミハイ・チクセントミハイの『フロー』、A.H.マズローの『人間性の心理学』なんかには共通点があるなあ、という呟きをFacebook上に投げたら、ティール組織のイベントを企画されたICJの吉沢さんや、GOBの櫻井亮さんからいろいろと示唆や参考になる本を紹介いただいたので、ちょっとずつ読んでます

櫻井さんから紹介いただいた梅原猛先生の本の中から、まずはとっつきやすそうな『近代文明はなぜ限界なのか』を読了。

ルネッサンス以降の人間と自然の関係の変化(循環から収奪)という構造を見つめなおし、新たな技術を正しく用いながら循環型の社会に回帰することの必要性について語られていますが、出版されたのが2011年だから、ウーム、世界はそれほど変わってない気がします。構想することはできても実現するのが難しいテーマなのは想像に難くありません。

個人的に本書で興味深いと思ったのは、新しく何かを始めるときの方法について、ビジネス界とアカデミック界の巨匠が共通認識を持っていることでした。

たとえば、何かを始めるときはすべての条件がそろってから始めるのではなく、まず集まったもので始める、というもの。

本書の中では、アジア連合(AU)を創設するときに全ての国のコンセンサスをとるのではなく、まずは日中韓で始めるべき、という、スケールの大きなレベルで論じられているものの、これは尺度を変えても同じことが言えるのではないでしょうか。

また、イノベーション着想のきっかけが偶然与えられるケースについても言及されていました。

稲盛氏の場合は京セラの主軸事業となったファインセラミックス事業のブレークスルーが実験室に置いてあったワックスにつまずいたことがきっかけだったとご自身で振り返っておられます。

ただ、偶然といっても、偶然が着床するための土台として、取り組むべき課題に没入している・常に考えている状態であることが前提だということも示唆しているように感じます。ただ待ってるだけではだめで、解決にむけて心身ともにその問題に向かっていることが大事ということですね。

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