支援は重く、会議は軽く

愛知県あま市・大治町の子ども・若者支援地域協議会の実務者会議にお招きいただき、お邪魔してきました。

あま市と大治町は名古屋市の西側にある自治体で、人口あわせて12万人くらいのエリアです。名古屋市街まで電車で10分(電車を使う人あまりいないらしいですが)程度ということもあり、住宅地の広がるベッドタウンという印象です。

あま市はもともとは甚目寺町、美和町、七宝町の3つの町だったのが、2010年に合併して市になったところだそうです。最後ということもあり、合併してからまだ10年経ってない。

大治町はあま市と地理的にもこれまでの経緯としても非常に近い位置にあったわけですが、名古屋市とも隣接しているということで、どちらと合併するか駆け引きがあったようです。で、今のところは町として残っているという状況のようです。

政治的な力学はどうあれ、二つの市町に住んでいる方同士、関係は当然深いと思うんですよね。

とくに、子ども・若者に関することでいえば、大治町には小学校・中学校はあるけれど、高校はないんですよね。一方のあま市には公立の高校が2校ある。

だから、大治町に住んでいる高校生があま市の高校に通うことだってあるわけです。で、その高校生が不登校状態になってしまったときに、市町が違うから情報共有や支援のアクションができないことも起こりうる。市町が異なるから、情報の共有が進まないのは、支援する際の大きな機会損失になりえるんですよね。

そういうことで、あま市・大治町は2市町合同での協議会を設置することを決めています。広域連合による協議会の運営の事例はまだまだ一握りですが、小さな自治体が集まっているような場合には、このような形態での運営が現実的なのではないかな、と思います。

協議会の構造は代表者会議と実務者会議の2層構造で、実務者会議は年4回実施することを想定しています。本年度は協議会の立ち上げが下期だったこともあり、代表者会議1回、実務者会議2回の開催を想定しているとのことでした。

今回は、その実務者会議の1回目ということで、参加機関の自己紹介と役割の理解、というのが目的でした。

会場には30人ほどの参加者がいらっしゃってましたが、参画機関のラインナップとして、近隣市町村のNPOやサポステの運営団体といった、あま市・大治町以外のエリアの民間の支援団体も参加しているのが特徴です

協議会のメンバーを、市町村の中の支援団体だけで統一する必要は実はありません。必要な機能を持った参画機関が近隣エリアで活動しているのであれば、そういった機関と連携することに、特に問題はありません。重要なのは、協議会がやろうとしていることに対する共感性があるかどうか、というところだと思います。

そんなメンバーの皆様の多くが自己紹介の中で、他の支援機関がどのような活動をしているのか興味がある、繋がれるところがあればつながっていきたい、相談したい、と連携に前向きな姿勢を持っていらっしゃったのが印象的でした。

比較的自己紹介で皆さんしっかり情報発信をされていたので、支援内容について共有することを目的としたワークショップを急遽、「今後やってみたいこと、自分のところだけではやれないこと」に変えてグループワークをすることにしました。

各グループのディスカッション内容を聞いていると、年齢による支援の切れ目というものが各機関で課題として認識されているようでした。

小学校に入るまで(~6歳)、義務教育まで(~15歳)といったところで、行政のできる/できないは明確に分かれてしまいます。

ここからはうちでは担当できないので、と手を放してしまえば当事者は途方に暮れるしかない。

そのようなときに、支援機関同士、活動に”重なり”を持っていければよいのではないか、という建設的な意見も出てきて、会は良い雰囲気の中で無事に終了しました。

大治町の担当者の方が、「支援は重く、会議は軽くやりたい」ということを最後におっしゃっていました。

現場で支援をされている方も、いろいろな苦労や困難に直面している中で、協議会がそういった悩みを共有したり一緒に考えられる場になればいいのではないか。前向きに新しい取り組みに挑戦できるような雰囲気の会議にしていきたいんです、という意見でした。

かたちにこだわって、予定調和な議題をこなすような会議は、参加者にとって気が重いものです。そのような要素はなくして、本当に参加者のためになるようなコンテンツを議題にすることが協議会を中長期的に運営していくときの大事なポイントだと私も思います。

あま市・大治町の協議会はまだまだ立ち上げたばかりですが、まずは良いスタートを切ったのではないかなと思います。