「国立市子ども・若者の自立を支える連続セミナー」に参加してきました

月1回、全3回の連続講座の1回目で講演プラスワークショップをしてきました。

テーマは

「多様な支え手が繋ぐひきこもり支援の可能性」

ということで、行政や民間、市民の方それぞれの立場でできる支援って何なのか、ということを一緒に考えられる場を創ることを目標にお手伝いしてきました。

市のご担当の皆様がこれまた良いチームでよい雰囲気の中で終えられたのはとてもよかったです。子ども家庭部・児童青少年課の皆様お世話になりました!

ブリコラージュとしての子ども・若者支援

子ども・若者支援協議会はエンジニアリングというよりもブリコラージュに近いと思う

ブリコラージュは、文化人類学者のレヴィ=ストロースが広めた概念で、「寄せ集めて自分で作る」「ものを自分で修繕する」こと。「器用仕事」とも訳される。

また、ブリコラージュは明確な設計図やコンセプト、実現に必要な十全な材料を揃えた上で目的のものをつくりあげる「エンジニアリング」とは真逆の考え方として位置付けられる考え方だ。

子ども・若者を支援するための仕組み作りは、ブリコラージュかエンジニアリングか

この二択で選べと言われれば、私はブリコラージュという答えを選ぶだろう。

というのも、子ども・若者支援には、画一的な設計図やコンセプトが(まだ)無いからだ。 “ブリコラージュとしての子ども・若者支援” の続きを読む

リリー・フランキー氏のひきこもり経験から感じたこと

最近、是枝監督の「万引き家族」を観てきました。観た後に「問い」が残る映画は良い作品というのが僕の持論ですが、そういう点でいうと、本作はとても素晴らしい作品だったと思う。

この作品の中で父親(?)役をつとめたのがリリー・フランキーさんなんだけど、最近「ひきこもり新聞」の抜粋で、リリーさんとひきこもり当事者との対談記事が出ていました。

リリーさんご自身がひきこもりだったとは知りませんでした。文中でリリーさんがひきこもっていた当時の状況を振り返って話す内容で、個人的に共感できる部分がたくさんあります。

以下、抜粋しながら自分が共感した事柄を紹介してみたいと思います “リリー・フランキー氏のひきこもり経験から感じたこと” の続きを読む

豊島区が子ども・若者総合相談窓口「アシスとしま」を開設

豊島区で子ども・若者向けの総合相談窓口が開設されたそうです。

相談利用が可能なのは区内在住の概ね39歳までの若者とその家族。

取り扱う態様としては、日常生活習慣、学校生活、進路、ひきこもり、家庭内暴力、非行等の課題。

庁内設置という点では23区初。

複数の支援機関が連携することが求められる若者支援において、庁内に窓口があることは、ユーザーである区民の利便性向上につながるメリットがあります。

また、豊島区の支援の特徴としては、相談窓口で「待ちの支援」を展開するのみならず、「子ども若者支援ワーカー」を設置して当事者へのアウトリーチや支援者との関係構築を図っていくとしている点が挙げられる。

ただ窓口を設置しても、広報力不足などで利用者が増えない事例もあるので、こういうプッシュ型の支援との組み合わせは非常に重要かつ効果的。

支援の輪を広げるNPO法人PIECESの挑戦

先月行われた内閣府の青少年問題調査研究会でプレゼンした4つの総合相談センターの担当者の方々が、地域の生活者との連携という点に注目しているのが印象的でした。

子ども・若者を支援していく上で、専門性を持った支援機関の存在はとても重要ですが、支援機関だけでは地域内で困難に直面する子ども・若者を見つけて支援し切ることは難しいのも現実です。当事者と専門家とのギャップを埋めるためには、非専門家―地域の生活者―の参加と協力が不可欠だと感じます。

足立区と豊島区をメインに、子ども・若者支援に取り組むNPO法人PIECESも、地域の生活者との連携を活用している団体だと思ってます。

あ、なんでPIECESの話がいきなり出てきたのか、といいますと、副代表の荒井さんと打ち合わせのため、オフィス初訪問してきたのでした。 “支援の輪を広げるNPO法人PIECESの挑戦” の続きを読む

LINE相談を運用していくための3つの課題

育て上げネットは、厚生労働省の自殺対策の一環として試験的に開始されたSNSによる相談を行う団体として指定をされており、現在進行形で対応を始めています→参照ページ(厚労省)

田中は後発組ながら支援の一端を担うべく、本日研修を受けてきました。一日のうち、午前が座学、午後がケースを用いた模擬対応に参加してきました。 “LINE相談を運用していくための3つの課題” の続きを読む

オランダの在宅医療最大手・ビュートゾルフの経営に垣間見る子ども・若者支援地域協議会の未来の姿

目下、読み進んでいるフレデリック・ラルーの「ティール組織」で取り上げられているオランダの在宅医療事業者のビュートゾルフの事例が興味深いです

2006年に設立され、7年後の2013年には従業員が10人から7000人にまで拡大し、オランダの在宅医療看護師の3分の2を雇用するまでになった同社

急拡大を遂げた組織にありがちな従業員の満足度の低下とも無縁で、病気理由の欠勤率は同業他社と比較して60%低く、離職率も35%低く、組織の拡大と働き甲斐を両立させています。

さらには、サービス提供を受けた顧客一人当たりの介護時間は他の比較して40%短く、緊急入院は3分の2、平均入院時間も短いという成果まで挙げているという凄さ。

組織の拡大と、メンバーの活力の維持、顧客満足の3つを満たす組織の運営とはどのようなものなのか・・・

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貧困に苦しむ当事者のインサイト

『子どもの貧困と自己責任論。湯浅誠が貧困バッシングに感じた「心強さ」とは』

色々と示唆のある 菊川恵さん編集の良記事。

『周りの子と同じように子どもを塾に行かせてあげるために、明かりをつけないで電気代を節約したり、食費を切り詰めるためにお母さんは1日1食にしていたりするんです。』

貧困の実態はなかなか見えてこない背景には、貧困に喘ぐ当事者が実情を外部に見せたがらないという心情がある。
当事者のインサイトにリーチしたからこそ子ども食堂ではなく、宅食というサービスが生まれたというのは、デザイン思考的な観点から見ると非常に示唆的だと思う。

国分寺市で支援ネットワークの重要性についてお話してきました。

今日は国分寺市の若者支援地域ネットワーク会議で講演でした。

そもそもなんで若者支援が必要なのか
放置することにより地域にどれだけの負のインパクトがあるのか
横断的なネットワークを作ることで庁内業務にどのようなシナジーが生まれるのか
といったことを紹介してきました

これまでお世話になった地域の取り組みを他の地域に広めることで、
その地域がより効率的に、より効果的な支援ネットワークを構築できるチャンスが広がります

そうすることで、1人でも多くの当事者が苦境から飛び上がり、自分のやりたいことに邁進できるよう社会ができればいいな


複業の1つの面、育て上げネットのメンバーとして、そんな社会にするためのお手伝いを、ささやかーに、しております。