ブリコラージュとしての子ども・若者支援

子ども・若者支援協議会はエンジニアリングというよりもブリコラージュに近いと思う

ブリコラージュは、文化人類学者のレヴィ=ストロースが広めた概念で、「寄せ集めて自分で作る」「ものを自分で修繕する」こと。「器用仕事」とも訳される。

また、ブリコラージュは明確な設計図やコンセプト、実現に必要な十全な材料を揃えた上で目的のものをつくりあげる「エンジニアリング」とは真逆の考え方として位置付けられる考え方だ。

子ども・若者を支援するための仕組み作りは、ブリコラージュかエンジニアリングか

この二択で選べと言われれば、私はブリコラージュという答えを選ぶだろう。

というのも、子ども・若者支援には、画一的な設計図やコンセプトが(まだ)無いからだ。 “ブリコラージュとしての子ども・若者支援” の続きを読む

リリー・フランキー氏のひきこもり経験から感じたこと

最近、是枝監督の「万引き家族」を観てきました。観た後に「問い」が残る映画は良い作品というのが僕の持論ですが、そういう点でいうと、本作はとても素晴らしい作品だったと思う。

この作品の中で父親(?)役をつとめたのがリリー・フランキーさんなんだけど、最近「ひきこもり新聞」の抜粋で、リリーさんとひきこもり当事者との対談記事が出ていました。

リリーさんご自身がひきこもりだったとは知りませんでした。文中でリリーさんがひきこもっていた当時の状況を振り返って話す内容で、個人的に共感できる部分がたくさんあります。

以下、抜粋しながら自分が共感した事柄を紹介してみたいと思います “リリー・フランキー氏のひきこもり経験から感じたこと” の続きを読む

豊島区が子ども・若者総合相談窓口「アシスとしま」を開設

豊島区で子ども・若者向けの総合相談窓口が開設されたそうです。

相談利用が可能なのは区内在住の概ね39歳までの若者とその家族。

取り扱う態様としては、日常生活習慣、学校生活、進路、ひきこもり、家庭内暴力、非行等の課題。

庁内設置という点では23区初。

複数の支援機関が連携することが求められる若者支援において、庁内に窓口があることは、ユーザーである区民の利便性向上につながるメリットがあります。

また、豊島区の支援の特徴としては、相談窓口で「待ちの支援」を展開するのみならず、「子ども若者支援ワーカー」を設置して当事者へのアウトリーチや支援者との関係構築を図っていくとしている点が挙げられる。

ただ窓口を設置しても、広報力不足などで利用者が増えない事例もあるので、こういうプッシュ型の支援との組み合わせは非常に重要かつ効果的。

夢オチ扱いされそうな日本ベルギー戦

日本の敗戦で「つかみかけた夢」「夢のような試合」とか、「夢」という言葉がたくさん使われていて興味深い

恐らく、今回の敗戦が色濃く持っている「非現実味」を受けて、皆無意識的にこの「夢」という表現を使っているのではないでしょうか

この非現実感は

1)まさかここまで善戦するとは思わなかったという意外性
2)後半の35分間で2失点、さらにアディショナルタイムで決勝点という展開の手のひら返し感
3)技術的な劣位を戦術的な工夫でなんとかイーブンに持ってった中で、検証不可能なメンタル的な部分で勝負が決まってしまったモヤモヤ感
4)未明で眠い

といった要素で構成されていて、みんな何で敗けてしまったのかよくわからない。
だからとりあえず「夢オチ」扱いにしてる感じがしないでもない。

個人的には両チームの2点目の失点はチームの動揺が遠因で、そのほころびに付け込まれた形の失点だし
日本が喫した3点目は、日本の選手の注意が一瞬でも延長戦に移ったことによる油断が原因な気がしています。

夢で片づけるよりは、取り扱いむずいけど、メンタル的な部分が勝敗分けたかなと、そう思える敗戦でございました。

多くの強豪は、そういった苦い経験が歴史としてチームのDNAに練りこまれているからこそ強いんでしょうね。
だからこそ日本のこれからにとって意味のある敗戦だったと思おう。良い経験だった。

夢で片づけず、しっかり記憶に留め、未来のサムライブルーの勝利に繋げていってほしいなと思う。

結局のところ、トライの結果には成功か学びしかないのだから。

日本-ベルギー戦に見るメンタリティの重要さ

日本ベルギー戦、アラーム無しで26時に起きて見てました

いやー2点取ったところまでは素晴らしい試合運びでしたね

フィジカルとタッパでは勝てないならシュートコースを潰す

これまで使わなかったサイドチェンジとロングボールの多用

カウンターからの緻密なパスと素晴らしいシュート

世界3位相手の61位の戦いではなく、ランキング10位台でもおかしくない、堂々とした戦いぶりだったと思う

西野監督始め、スタッフの観察と考察、選手との意識共有の賜物でしょう。That’sチームプレー

一方のベルギーは1点取られて明らかに動揺してましたね

動揺した状態で前がかりになったところで日本がスキを突いて2点目を取った。

これはいけるんじゃないか・・・?

と一瞬でも思ったわけですが、この動揺というのが、アンラッキーな1失点目で日本にも広がり同じように、その動揺が収まる前に2失点目を喫してしまった。

そこで俺らのレオ将軍こと本田選手と山口選手を入れたけど、2点目入れられてから若干ピッチ外も混乱しているように見えた。

そしてロスタイム、本田の惜しいFKからのCK、たぶんそこで「延長戦かな」と思ってしまった最後の最後でシンプルなカウンターと「まあそうくるよね」というスルーで決勝点。

技術的と戦術的の面で、日本はベルギーと互角の戦いをしていた。いくつかの順位差を表すような稚拙なパスミスもあったけど。

でも結果は敗戦。技術・戦術で互角なのだから、それ以外の要因で敗けた。たぶんメンタル的な部分でやられた。だから皆なんだか納得いかない。

試合後、SNS等で「夢を見せてもらった」みたいな表現を使ってる人が多いのも、後半の展開がなんだか狐につままれたようなものだったからなんじゃないだろうか。

最後の最後で「これで延長戦だな」という油断があった。赤い悪魔はそこを見逃さなかった。たぶん総体としてGoodな試合という印象と評価の陰に、その油断の存在は押しやられてしまうだろう。

でも、16強の壁はチームの外にあったのではなく、自分たちの中にありましたよね。

今回の試合で改めて、勝負の世界においてメンタル的な要素が本当に重要だと再確認した

日本チームはメンタル的な強さはまあまああるとは思うけど、安定的ではなかった。どうやって解決するか見えないので「夢」にしちゃうのは、まちがいなく下策だ。